震災に負けず精魂込めて育てた
『能登復興米』
能登半島豪雨の影響について (2024.9.25)
このたびの能登半島豪雨で被災された方々に謹んで心よりお見舞い申し上げます。
また、当社にも安否や影響を気遣うお言葉を頂戴しまして、誠にありがとうございます。
金沢大地の能登の農場にも被害はありますが、田んぼの一部は雨が降る前に稲刈り済みだったこともあり、奥能登産のお米も、今年もどうにかみなさまにお届けすることができそうです。
稲刈りがまだ終わっていないところもあるのですが、一部を除き、なんとか無事に収穫して、みなさまにお届けできるよう努めます。
能登地方は、おいしいお米が育つ「良食味地帯」ですので、ぜひまた、食べて応援していただけると幸甚に存じます。
〈食味抜群!〉奥能登・当目地区の《特別栽培コシヒカリ》と穴水町・波志借地区の《オーガニックひゃくまん穀》
石川県北部の能登地方は、おいしいお米が育つ「良食味地帯」として知られています。
米どころ石川県のお米全体がおいしいといわれる中でも、なぜ能登のお米は特においしいのでしょうか?
お米は同じ品種でも気候条件や環境によって食味に違いが出ます。能登のお米のおいしさの秘密についてお伝えします!
金沢と能登、同じ石川県ですが、南北に伸びるこのふたつの地域の気候や環境は大きく異なります。
金沢市と能登町の距離感は、石川県外の方にはイメージしづらいかもしれません。関東ですと、東京23区から栃木県宇都宮市くらいの距離があります。能登町は、石川県北部に位置し、最高級コシヒカリの産地として知られる新潟県・南魚沼地区とほぼ同緯度です。
北側に位置する能登町は、田植えも収穫も金沢よりゆっくりめ。じっくりと育ちます。
また、山に囲まれた能登半島は、中山間地特有の昼夜の気温差が大きい地域です。昼夜の気温差が大きいほど、お米の旨みであるデンプンの蓄積が効率的に行われます。つまり、米粒の中に多くのデンプンが貯まり、粘りや甘みが強くなるおいしいお米に育つのです。
能登半島の里海里山は世界農業遺産に認定されているほど美しく、豊かな自然環境が残っている場所です。
また、能登半島は花崗岩の地質であることも、水のおいしさにかかわっています。雨水が長い年月をかけて花崗岩の層を通り抜ける間に、不純物が濾過され、ミネラル分がバランス良く溶け込んだ清浄な水となることが多いのです。
金沢大地の能登での歩み
金沢大地代表井村が能登の大地を耕し始めたのは、株式会社金沢大地設立(2002年)から数年たった2006年。
井村は1997年に就農以来、金沢郊外・河北潟干拓地の耕作放棄地を再生し、農薬や化学肥料を使用せずに、生物多様性の保全にも貢献できる有機農業を営んできました。
「農家の使命として、もっと農地を耕したい」――この思いのもと、2006年に石川県農業開発公社のあっせんを受け、輪島市門前町の国営農地開発パイロット事業地の耕作放棄地での作付けを開始。
「国の事業として整備はされたものの、土壌や水はけが悪く耕作放棄地となっている土地がある」と紹介を受け、さっそく見に行ったところ、人里離れた山奥のその土地・風景に「ここで理想の有機農業ができる!」と井村が一目ぼれしたのがきっかけです。
2006年に輪島市門前町山是清(やまこれきよ)を約50ヘクタール開墾。土壌が赤土・珪藻土であったので小麦・大豆・ソバ・ジャガイモの栽培から始めました。
現在では、「奥能登」と総称される「珠洲市」、「輪島市」、「能登町」、「穴水町」の4市町すべてに金沢大地の農場があります。
農地保全や農地荒廃の未然防止を念頭に、能登半島の市町村をまたぐ広範囲で、それぞれの土地や風土に合った作物を栽培してきました。
能登半島の中でも、能登町当目地区と穴水町波志借地区では稲作に励み、2016年からは珠洲市と穴水町で醸造用ブドウの栽培も始め、石川県産ブドウ100%使用のワインづくりにもチャレンジしています。
令和6年1月1日「能登半島地震」の悲劇
2006年に能登地方で営農を開始して18年目の2024年始、能登で生業を行っているわたしたちにとって、たいへんな出来事が起こりました。
みなさんご存じ「能登半島地震」です。能登で生活を営まれている住民の方々同様、金沢大地の農場も大きな被害を受けました。
地震後は甚大な被害状況の掌握自体にも時間がかかり、見通しを立てることすら難しく、能登での営農は困難を極めるようにも思えましたが、まずはできるところから、農道もスタッフが自力で直しつつ、被害が比較的落ち着いているところから営農を再開しています。
また、日頃からお世話になっている取引先のみなさまから多大なご支援をいただいたり、GWには東京からのボランティアの学生さんたちやプロボノの方々にご尽力いただいたり、みなさまからのあたたかい応援に支えていただきながら、なんとか前を向いて能登での農業に励んでおります。
下の写真は、震災から約8か月後、8月下旬の能登町当目地区の棚田(※1)・谷地田(※2)の様子です。
※注1:棚田(たなだ)とは、山地などの傾斜地に階段状に作られた田んぼのこと。
※注2:谷地田(やちた)とは、台地に挟まれた細長い谷にある田んぼのこと。
日照時間は短く、ゆっくりと稲が育つため、あまりたくさん収穫はできませんが、その分、おいしさがぎゅっと詰まったお米です。
「震災にも負けず、元気に育った『能登復興米』」食べて能登を応援してね!!
大きな地殻変動、家屋の倒壊、ライフラインの断絶、人口流出・・・。
能登の復興への道のりはまだまだ先が長く、気が遠くなりそうですが、みなさんに能登のお米を食べていただき、応援していただければ、わたしたちもまた復興に向けてがんばることができそうです★
おいしい『能登復興米』の新米を食べながら、日本各地のみなさまに、ぜひ能登を身近に感じていただけるとうれしいです!!
厳格な基準で栽培しています
有機JAS規格では、原則として、化学合成された農薬の使用は禁止されていますが、天然系農薬やフェロモン剤など、条件付きで使用が可能な農薬もあります。この点、金沢大地の有機米は、有機JAS規格で許容されているものも含め、農薬および化学肥料は一切使用しておりません。有機栽培の中でも、厳格な基準で栽培しています。
※農薬は、有機JAS規格で許容されているものも含め、一切不使用です
井村さんのオーガニック米について |
農薬 |
除草剤 |
不使用 |
殺虫剤 |
不使用 |
殺菌剤 |
不使用 |
化学肥料 |
不使用 |
第三者監査 |
登録認定期間「JONA(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)」の監査を毎年受けています |
日本の有機JAS認証は、アメリカの「全米有機プログラム(NOP)」(米国農務省)およびEU各国で通用する有機認証「Organic Farming」と同等性が認められています。
加賀百万石の米所・金沢と能登半島、石川県内の2つのエリアで育てています。
わたしたちの主な農場は、石川県金沢市郊外の河北潟干拓地にあります。日本海に臨む河北潟にはたくさんの動植物が生息しています。「日本一雑草の種類が多い」「ラムサール条約の基準を満たすほど水鳥が多い」と指摘する専門家もいるほど。陸地の面積は13平方キロメートル強で、東京都豊島区とほぼ同じ広さです。金沢大地の田畑のほか、ほかの農家さんの牧場や果樹園も広がっています。
もうひとつ、2011年に日本で初めて世界農業遺産に登録された能登半島にも、金沢大地の田んぼがあります。奥能登の昼夜の気温差と湧き水がおいしいお米を育み、通常のコシヒカリよりも甘み・旨みが出るのが特徴です。昔話に出てくるような静かな山あいの田園地帯で、収穫などで忙しいときはスタッフが集落の古民家に泊まり込んで作業しますが、いろんな動物が出没しているようです。
金沢大地では、こうした恵まれた自然環境や生態系への負荷が小さいお米作りを実践しています。
お米の用語について
特別栽培とは?
特別栽培は、化学肥料・化学合成農薬の使用を地域の慣行レベルの50%以下に削減した栽培方法です。
〔参考資料〕
石川県HP「石川県における農作物栽培に係る慣行レベル」
慣行栽培とは?
慣行栽培は、いわゆる普通の栽培方法です。農薬および化学肥料の使用について表示義務はありません。