金沢ワイナリー『OKU-NOTO』
能登半島の最北端・珠洲の自社農園から『OKU-NOTO』シリーズ新登場
金沢大地のグループ会社である〈金沢ワイナリー〉。
2018年10月、自社農場や地元・石川県のブドウ100%でつくるワイン醸造がスタートしました。
石川県の風土は、美しい里山・里海に恵まれ、生物や土壌・気候など、多様性に富んでいます。
珠洲(すず)の珪藻土・穴水の赤土・内灘や高松の砂丘地・河北潟干拓地のたい積土等で育まれたブドウから丁寧にワインを醸造し、加賀・能登の多様性に富むテロワールを表現することを目指しています。
新シリーズ『OKU-NOTO』は、〈金沢ワイナリー〉として記念すべき、能登半島の最北端・奥能登「珠洲市」の自社農園で苗から育てたブドウで初めて醸造するラインナップです。
2023年11月、石川県珠洲市産「メルロー」および「シャルドネ」で醸造する初ヴィンテージがデビューしました!
金沢ワイナリーとは・・
金沢初!小さなアーバン(都市型)ワイナリーです
醸造所の開設に向けて、代表井村は全国のワイナリーを視察する中で、その多くは風光明媚な環境にあり、自然の恵みは多い反面、ワインツーリズムの観点からは交通の便が悪い立地が多いという印象を受けました。
車でしかアクセスできない場所では、ワイナリーで飲酒ができない難点があったり、ブドウ畑の景色も冬の時期は寂しさがあり、活気が出しにくいことなどから、井村は、アクセスがよい金沢市内中心部でのワイナリー設立を決意しました。
金沢らしさにこだわった都市型ワイナリーというコンセプトで、金沢観光の中心ともいえる金沢城や東茶屋街からほど近い尾張町の金澤町家を改装し、1階をワイン醸造所〈金沢ワイナリー〉に。
2階には、フレンチ農家レストラン「A la ferme de Shinjiro(ア・ラ・フェルム・ドゥ・シンジロウ)」を併設しました。
金沢大地のオーガニック小麦で焼く自家製パンや、オーガニック野菜、オーガニック真鴨をはじめ、加賀野菜や、金沢港や能登島から直送される鮮魚、地産地消を心がけ、石川・金沢ならではのフランス料理に仕上げています。
年間を通じて、〈金沢ワイナリー〉のワインと、地元の旬の食材で彩るフレンチとのマリアージュをお楽しみいただけます。
サステナビリティを大切に
ワインづくりで地域を元気にしたい
金沢大地グループの経営理念は「千年産業を目指して」。
サステナビリティや生物文化多様性を大切にしています。
米や麦も育てにくい痩せた傾斜地。能登地方の耕作放棄地の中には、そのような厳しい条件の農地も少なくありません。そのような土地で生産者としてできることを考える中で、日本海側での「ブドウ栽培」の可能性に着目し、ワインづくりの可能性を模索しました。
現在、金沢でキャンベルアーリーを有機栽培しているほか、能登地方の珠洲と穴水では、醸造用ブドウであるシャルドネ、メルロー、ピノ・ノワール、ヤマソーヴィニヨン、ソーヴィニヨンブランの栽培にも挑戦しています。
※2018年撮影。珠洲市高屋地区(珪藻土)と穴水地区(赤土)。ブドウ苗木を植えて間もない頃です。
※2023年9月撮影。珠洲市高屋地区の「シャルドネ」と「メルロー」です。
能登での自社農園・醸造用ブドウ栽培の挑戦は、まだ始まったばかり。
石川県内(主に加賀地域と穴水地域)の先輩ブドウ農家から貴重なブドウを分けていただきながら、石川県産ブドウ100%使用ワインの醸造経験を重ねて、レストランだけでなく日々の食卓にも馴染むような身近なワインづくりをしています。
この新たなワイナリー事業を地域活性の核として、地域の農地再生や雇用創出など、持続可能な生業を目指します。
「千年産業を目指して」千里の道も一歩から。
まだスタート間もない発展途上の取り組みではありますが、一年一年、農場/醸造責任者である井村は、農場スタッフやレストランチームと力を合わせて、石川の多様なテロワールを表現できるよう挑戦しています。
ぜひ、この取り組みを応援してください!
石川県産のブドウを、石川県金沢市の中心部で醸造しています
2018年10月に〈金沢ワイナリー〉の醸造施設が完成し、金澤町家での醸造がスタートしました。
なお、2016年と2017年は、〈金沢ワイナリー〉がまだ完成前であったため、富山県の〈SAYS FARM〉に委託醸造しながら、井村は醸造研修に通っておりました。
ちなみに、〈金沢ワイナリー〉ファーストヴィンテージ第1弾のワインは、「KAGA マスカットベーリーA 2018 レッド」でした。
毎日の食卓に寄り添うワインづくり
〈金沢ワイナリー〉のワインはアルコール度数が低め。
石川県産のブドウそれぞれの特徴を感じながらもクセが少なく、スッキリとした味わいです。
毎日のいろいろな料理と共に、ちょっと一杯晩酌に、さまざまなシーンでカジュアルにお愉しみいただけるテーブルワインです。
中でも『OKU-NOTO』シリーズには、日本海を臨む奥能登固有のテロワールの体現を目指しています。1500万年前の地層が隆起した珪藻土壌は、多孔性と粘土が適度に含まれミネラルが豊富。欧州系品種の代表格ともいえる「シャルドネ」や「メルロー」も、奥能登の風土に溶け込み、個性的な味わいをもたらしてくれました。
『OKU-NOTO』シリーズは、低アルコールながら充実感もあります。抜栓後、ゆっくり味わいながら、温度変化による味わいの変化もお楽しみください。
令和6年(2024年)能登半島地震の影響について
このたびの能登半島地震で被害を受けたすべての方に心よりお見舞い申し上げます。
また、金沢大地グループにもお見舞いや励ましのお言葉を頂戴しまして、あたたかいお心遣いを誠にありがとうございます。
おかげさまで、金沢大地グループ社員全員にケガはありませんでした。しかしながら、能登地方の被害は甚大で、避難生活を強いられているスタッフがいるほか、道路事情からアクセスも難しく、ブドウ畑などの農場や施設の被害については、全容はまったくつかめていない状態です。
なお、能登の自社農場に行くには山道・峠道を分け入る必要があり、ブドウ畑も一時は孤立した地区にあるため、実際の状況を確認できるのは、まだかなり先になるかもしれません。
ちなみに、珠洲は前年2023年5月にも大きな地震に見舞われ、この『OKU-NOTO』シリーズのブドウ畑も立っていられないほどの揺れだったのですが、このときもおかげさまで人的被害はなく、9月にはきれいなブドウをたくさん収穫できました。
能登や石川に思いを寄せてくださるみなさまに厚く御礼申し上げます。
この『OKU-NOTO』ファーストヴィンテージに続き、2024年冬のリリースも楽しみにお待ちいただけると幸いです。
今後とも、応援よろしくお願いいたします★
※2023年9月、珠洲市高屋地区のブドウ畑で「シャルドネ」収穫後に記念撮影した一枚です。