〈金沢ワイナリー〉能登での挑戦
能登半島の最北端・珠洲の自社農園から2023年『OKU-NOTO』シリーズ登場!

※2023年9月撮影
金沢大地のグループ会社である〈金沢ワイナリー〉。
2018年10月、自社農場や地元・石川県のブドウ100%でつくるワイン醸造がスタートしました。
石川県の風土は、美しい里山・里海に恵まれ、生物や土壌・気候など、多様性に富んでいます。
珠洲(すず)の珪藻土・穴水の赤土・内灘や高松の砂丘地・河北潟干拓地のたい積土等で育まれたブドウから丁寧にワインを醸造し、加賀・能登の「多様性に富むテロワール」を表現することを目指しています。
2023年に初リリースした『OKU-NOTO』シリーズは、〈金沢ワイナリー〉として記念すべき、能登半島の最北端・奥能登「珠洲市」の自社農園で苗から育てたブドウで初めて醸造するラインナップとなりました。
(【完売御礼】2023年11月、石川県珠洲市産「メルロー」および「シャルドネ」で醸造する初ヴィンテージがデビューし、おかげさまでご好評をいただきました。)
なお、2024年は、元日に「令和6年能登半島地震」が襲い、さらには9月に「令和6年奥能登豪雨」が発生し、1年に2度もの激甚災害により、〈金沢ワイナリー〉のブドウ畑も甚大な被害を受けました。

※2025年6月撮影
この珠洲市折戸・高屋地区にあるブドウ畑は、山奥にあり、震源地にほど近く、地震・豪雨どちらのときも被害が大きく一時は孤立してしまったエリアです。
ブドウ畑にも土砂崩れの傷跡などが生々しく残りますが、それでも、農場スタッフが道路や畑の損傷を修復しながら、農地を大切にし、できる限りブドウの世話を続けてくれています。
金沢ワイナリーとは・・
金沢初!小さなアーバン(都市型)ワイナリーです

※金沢市中心部にある大正期の町家を改修
時間軸をちょっとさかのぼって、〈金沢ワイナリー〉の設立登記は2017年4月、醸造所施設が完成し、金沢市中心部でのワイン醸造がスタートしたのは2018年10月でした。
この醸造所の開設に向けた準備段階で、代表井村は全国のワイナリーを視察し、その多くは風光明媚な環境にあり、自然の恵みは多い反面、ワインツーリズムの観点からは交通の便が悪い立地が多いという印象を受けました。
車でしかアクセスできない場所では、ワイナリーで飲酒ができない難点があったり、ブドウ畑の景色も冬の時期は寂しさがあり、活気が出しにくいことなどから、井村は、アクセスがよい金沢市内中心部でのワイナリー設立を決意しました。
なお、2016年と2017年は、〈金沢ワイナリー〉がまだ完成前であったため、富山県の〈SAYS FARM〉に「キャンベルアーリー」での委託醸造をお願いしながら、井村は醸造研修に通っておりました。

※フラッグシップワイン《MIEKO》用に金沢市内で有機栽培する「オーガニックキャンベルアーリー」
金沢らしさにこだわった都市型ワイナリーというコンセプトで、金沢観光の中心ともいえる金沢城や東茶屋街からほど近い尾張町の金澤町家を改装し、1階をワイン醸造所〈金沢ワイナリー〉としました。
ちなみに、〈金沢ワイナリー〉ファーストヴィンテージ第1弾のワインは、《KAGA マスカットベーリーA 2018 レッド》でした。石川県加賀市の篤農家である森保太郎氏が育てた「マスカットベーリーA」で醸造し、フレッシュな味わいでご好評をいただきました。【完売御礼】
2階には、金澤町家フレンチレストラン「A la ferme de Shinjiro(ア・ラ・フェルム・ドゥ・シンジロウ)」を併設しました。
厳選された有機野菜や加賀野菜、金沢港や能登島直送の鮮魚、地元の旬の食材や地産地消を心がけ、九谷焼・珠洲焼・輪島塗など石川県の伝統工芸品の器で彩るフランス料理レストランです。2024年からは「能登応援メニュー」として、能登直送の旬食材で彩るお料理を提供しています。〈金沢大地〉のオーガニック小麦を使った自家製パンも人気です。
一年を通じて、〈金沢ワイナリー〉のフレッシュな石川県産ブドウ100%ワインとともに、ゆったりとお愉しみいただけます。
サステナビリティを大切に
ワインづくりで地域を元気にしたい
金沢大地グループの経営理念は「千年産業を目指して」。
サステナビリティや生物文化多様性を大切にしています。
米や麦も育てにくい痩せた傾斜地。能登地方の耕作放棄地の中には、そのような厳しい条件の農地も少なくありません。そのような土地で生産者としてできることを考える中で、日本海側での「ブドウ栽培」の可能性に着目し、ワインづくりの可能性を模索しました。
現在、金沢でキャンベルアーリーを有機栽培しているほか、能登地方の珠洲と穴水では、醸造用ブドウであるシャルドネ、メルロー、ピノ・ノワール、ヤマソーヴィニヨン、ソーヴィニヨンブランの栽培にも挑戦しています。

※珠洲市高屋地区(珪藻土)。2018年撮影

※穴水地区(赤土)。2018年ブドウ苗木を植えて間もない頃
※上の4枚は2023年9月撮影。珠洲市高屋地区の「シャルドネ」と「メルロー」
能登での自社農園・醸造用ブドウ栽培の挑戦は、まだ始まったばかり。
石川県内(主に加賀地域と穴水地域)の先輩ブドウ農家から貴重なブドウを分けていただきながら、石川県産ブドウ100%使用ワインの醸造経験を重ねて、レストランだけでなく日々の食卓にも馴染むような身近なワインづくりをしています。
この新たなワイナリー事業を地域活性の核として、地域の農地再生や雇用創出など、持続可能な生業を目指します。
「千年産業を目指して」千里の道も一歩から。
まだスタート間もない発展途上の取り組みではありますが、一年一年、農場/醸造責任者である井村は、農場スタッフやレストランチームと力を合わせて、石川の多様なテロワールを表現できるよう挑戦しています。
ぜひ、この取り組みを応援してください!
毎日の食卓に寄り添うワインづくり
〈金沢ワイナリー〉のワインはアルコール度数が低め。
石川県産のブドウそれぞれの特徴を感じながらもクセが少なく、スッキリとした味わいです。
毎日のいろいろな料理と共に、ちょっと一杯晩酌に、さまざまなシーンでカジュアルにお愉しみいただけるテーブルワインです。
中でも『OKU-NOTO』シリーズには、日本海を臨む奥能登固有のテロワールを表現できるよう目指しています。1500万年前の地層が隆起した珪藻土壌は、多孔性と粘土が適度に含まれミネラルが豊富。欧州系品種の代表格ともいえる「シャルドネ」や「メルロー」も、奥能登の風土に溶け込み、個性的な味わいをもたらしてくれました。
『OKU-NOTO』シリーズは、低アルコールながら充実感もあります。抜栓後、ゆっくり味わいながら、温度変化による味わいの変化もお楽しみいただけます。【2023年ヴィンテージはおかげさまで完売しました】
令和6年(2024年)能登半島地震と奥能登豪雨の影響について
能登半島地震および奥能登豪雨による被害を受けたすべての方に心よりお見舞い申し上げます。
また、金沢大地グループにも全国各地のみなさまからお見舞いや激励を多数頂戴しまして、あたたかいお心遣いを誠にありがとうございます。
おかげさまで、金沢大地グループ社員全員にケガなどはありませんでした。しかしながら、能登地方の被害は甚大で、家屋が倒壊したり避難生活を強いられたスタッフがいるほか、能登の自社農場に行くには山道・峠道を分け入る必要があり、ブドウ畑も一時は孤立した地区にあるためアクセスが難しく、農場や施設の被害については、全容がなかなかつかめない状況が長く続きました。
ちなみに、珠洲は前年2023年5月にも大きな地震に見舞われ、この『OKU-NOTO』シリーズのブドウ畑は震源に近く、作業中だったスタッフが立っていられないほどの揺れだったのですが、このときもおかげさまで人的被害はなく、2023年9月にはきれいなブドウをたくさん収穫できました。

※2023年9月、珠洲市高屋地区の「シャルドネ」収穫後に記念撮影した一枚です
2024年は、元日に「令和6年能登半島地震」が襲い、さらには9月に「令和6年奥能登豪雨」に見舞われ、1年に2度もの激甚災害により、〈金沢大地〉と〈金沢ワイナリー〉の能登の農場も甚大な被害を受けました。
〈金沢大地〉と〈金沢ワイナリー〉の能登の農場は、山奥にあり、平常時でも、なかなかアクセスが難しい場所にあります。また、林道では木が倒れて道をふさいだり、農道が激しく損傷して分断したりもしました。ですので、地震発生後、被害状況の確認・把握自体にも、かなりの時間がかかってしまいました。
特に、この珠洲市高屋地区にあるブドウ畑は、震源地にほど近く、地震・豪雨どちらのときも被害が大きく一時は孤立してしまったエリアです。地震の際には、畑に深刻な地割れや大きな段差が発生したり、豪雨では、土砂崩れが起きて、20~30mほど埋没してしまったブドウの木もあります。

※2025年6月撮影
ブドウ畑にも土砂崩れの傷跡などが生々しく残りますが、それでも、農場スタッフが道路や畑の損傷を修復しながら、農作物や農機などを運べるように工夫して、農地を大切にし、できる限りブドウの世話を続けてくれています。
※2025年9月、珠洲市高屋地区の「メルロー」と「ヤマソーヴィニヨン」を収穫しました
能登や石川に思いを寄せてくださるみなさまに、あらためて厚く御礼申し上げます。
『OKU-NOTO』ファーストヴィンテージに続き、能登からの2024年・2025年以降のリリースも楽しみにお待ちいただけると幸いです。
今後とも、末永く、応援よろしくお願いいたします★