味噌の作り方 ~あんしんの手づくり味噌~
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味噌の作り方は意外と簡単です!
金沢大地では味噌の穀物材料である大豆とお米を、石川県の自社農場で農薬や化学肥料を使わずに育てています。ぜひ、自分でつくるからこその「あんしん味噌」をお楽しみください。
(最終改訂2014年11月)
前版より塩分量を増やしました。これまで弊社の味噌づくりセットの塩分量は全国的にみますと少なめの量でした。塩分が少ない方が発酵が進みやすい反面、雑菌やカビの繁殖を抑制する効力も減り、手入れや保存が少したいへんです。このため、作りやすく、また、関東甲信越を中心に全国に広く分布している塩分量としました(塩分12%)。
※大豆は煮ると重量が2~2.4倍程度となりますが、例えば、2倍になった時と2.4倍の時では塩分量を同じとせずに、それぞれ正確に補正することをおすすめします。このため、「前後」と表記しています。
総務省統計局によると味噌の年間購入数量の全国平均は「4,928g」とのことです(二人以上の世帯)(2020~2022年平均)。味噌の消費量は、年々減っています(2011~2013年平均と比較しても1,059g減少しました)。金沢大地では、もっと味噌を食べてほしいとの思いから、全国平均より少し多めの7kgを基本セットとしています。一人暮らしの方や、たくさん作ってうまくできるか心配という方は、半分の量でどうぞ。
(参考資料)
総務省統計局 家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市
仕込みのおおまかな流れ
- (大豆の浸水)
↓ 10~14時間
- (大豆の蒸煮)
↓ 普通の鍋で4~5時間、圧力鍋で20分
- (大豆と糀・塩の混合)
必要な道具
(大豆の浸水時)
(大豆の蒸煮時)
- 大豆を蒸煮する調理器具(鍋、圧力鍋、蒸し器など)
- 必要に応じて、大豆取り置き用の耐熱性容器
(大豆と糀・塩の混合時)
- 消毒のための道具(アルコール消毒スプレー、焼酎など)
- 大きめのボウル(できれば直径50cm以上) ※材料を混ぜ合わせるボウルです
- 大豆をつぶすための道具(すりこぎとすり鉢、ばんじゅうとマッシャー、フードプロセッサーなど)
- 計量器(5kgまで量れると便利です)
- 煮た大豆を計量する際の容器(中ぐらいのボウルなど)
- 味噌をつめる容器
→「出来高3.7kg」の場合は容積6L程度、「出来高7.4kg」の場合は容積10L程度
- 味噌を覆うための「ラップ」や「ビニール袋」
- 樽に入る大きさの「押し蓋」※塩蓋をする場合は不要
- 「重石」(ペットボトルなどでも可)または塩蓋用の「塩」
→「出来高3.7kg」の場合は重り2~3kg程度、「出来高7.4kg」の場合は重り4~5kg程度
(1) 大豆を水でよく洗います。
大豆の表面には細かな土ぼこりなど付着しています。水でしっかりと洗います。
(2) 大豆を浸水させます。
写真のような状態で置きます。大豆が水を吸うので、水加減は多めにします(大豆の4倍程度の水が必要です)
水温が低いと浸水時間が長くなります。
冬仕込み:14時間程度
秋仕込み、春仕込み:10時間程度
(3) 浸水が終わると次のようになります。
(4) 大豆を茹でます。
手で簡単に潰せるような柔らかさになるまで茹でます。
- 普通の鍋の場合
4~5時間ほど弱火で茹でます。蒸発で煮汁が減り過ぎないように注意します。アクは随時取り除きます。
- 圧力鍋の場合
圧がかかってから、弱火20分ほどで仕上がります。圧力鍋の性能にもよりますが、開けてみて大豆が硬いようでしたら追い茹でします。※圧力鍋の場合、大豆が十分に吸水していれば、大豆がちょうど浸るぐらいの水位が適量です。
すりこぎやマッシャーなど手作業で潰す場合は、400~500g程度の力で潰せる柔らかさが目安です。フードプロセッサーなど機械で潰す場合は、多少硬めの600g程度が目安です。
(5) 容器や調理器具を消毒します。
大豆を茹でている間に、みそ容器や調理器具を消毒しておきます。消毒にはアルコール消毒スプレーや焼酎などを用います。みそ容器のほかにもボウルなど、材料に触れるものはすべて消毒します。また、ふき取る際は、布巾は雑菌が繁殖している場合があるのでキッチンペーパーがおすすめです。
(6) 大豆をつぶします。
味噌づくりで一番の力仕事です。
手作業の場合は、すり鉢とすりこぎや、ばんじゅうとマッシャーを使って潰します。多少粗めで、ザラザラが残っていても大丈夫です。フードプロセッサーを使うと簡単に潰せます。
(7) 潰した大豆の重さを量り、塩の量を計算します。
塩は、大豆や糀に比べ分量が少なく、相対的に分量の差が仕上がりに影響しやすいです。
大豆は、浸水と蒸煮の工程を経て、乾燥大豆の2~2.4倍程度の重さになりますが、例えば、2倍になった時と2.4倍の時で、塩分量を同じとせず、正確に計算しましょう。大きな計量器がない場合、多少精度は落ちますが、体重計などご利用ください。
▼塩分濃度12%の場合
塩の重さ = (つぶした大豆の重さ + 糀の重さ) × 0.12 ÷ 0.88
(8) 糀と塩を混ぜ合わせます。
「糀」と「塩の9割」を混ぜ合わせます。残り1割の塩はあとで使います。均一に混ざりやすくするために、大豆と混ぜる前に、まず糀と塩を混ぜ合わせます。
(9) 大豆と混ぜ合わせます。
(10) 樽に詰めやすいように玉状にします。
(11) 味噌玉を容器につめていきます。
空気が入らないように、手で押しつぶしながら詰めていきます。
(12) すべて詰め終えたら、軽く塩を振ります。
「残り1割の塩」を振ります。雑菌の繁殖やカビを抑制する効果があるといわれます。カビの生えやすい周辺部に多めに振ります。
(13) 最後にフタをします。
重石をのせて蓋をするか、塩蓋(しおぶた)をします。
重りの重量は、「出来高3.7kg」の場合は2~3kg程度、「出来高7.4kg」の場合は4~5kg程度です。たくさんの味噌をつくる場合は、重りは味噌重量の2割程度といわれますが、量が少ない場合は割合を大きくするのがおすすめです。
◎重石を使う方法
- 空気が入らないようにラップやビニールで覆います
- 押し蓋をしき、その上に重石をのせます
- 外蓋をします
※重石の下にある中蓋が十分に大きい場合、外蓋は不要です。
◎塩蓋をする方法
- 空気が入らないように大き目のラップで覆います
- ラップの上に、塩(材料分量外、味噌出来高の1~2割)を敷き詰めます ※塩蓋はあくまで重りとして置くものですので、塩蓋の塩が味噌に混ざらないように十分ご注意ください。
- ふたを閉めます
(14) 日光のあたらない冷暗所で保管します。
秋口くらいまで寝かせれば、あんしん手づくり味噌の完成です!
◎お手入れと保存方法
仕込み用容器の保管場所は、温度変化の少ない涼しい場所が最適です。直射日光が当たる場所や、暖房などで温度が上がる場所は、避けましょう。
最高気温が20度を超すような時期になり20日ほど経ったら、樽をいったん開封し、色と香りで、発酵の進み具合を確認します。味噌特有の褐色になりつつあること、および、よい香りがすることを確認できれば、順調といえるでしょう。
もし、この時点で表面に水分が上がっている場合、重石の重さを半分ほどにします。また、表面にカビが見られたら、除去します。蓋などに付いている場合、よく洗って消毒して戻します。
◎【おまけ】「天地返し」について
「天地返し」とは、梅雨前後に仕込み樽を開けて、お味噌全体をかき混ぜる作業のことです。
必須の作業ではありませんが、発酵によって生じた炭酸ガスによって味噌がデコボコに傾いたりした場合には行います。また、かき混ぜることによって、たまりが混ぜ込められ味が均一になる、酵母に酸素をあたえ増殖を促すといった効果があるといわれます。
基本的には、仕込み時と同様の作業をします。お好みに応じて、お試しください
- 消毒した入れものを準備し、その中へ味噌を移す。
- 空になった仕込み容器の内壁を、消毒する。
- きれいになった仕込み容器に、味噌玉を詰めていく。空気が入らないように、手で押しつぶしながら詰める。
- 全部入れたら、味噌の表面を平らにならす。
- 味噌の上にラップを敷き、重石や蓋を戻す。
おいしい味噌ができますように!!